ワクチンの接種を推奨しています
妊娠中や授乳中、妊娠を計画中の方もワクチン接種を受けることができます。
日本で承認されている新型コロナワクチンが妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼしたという報告はありません。
産婦人科の関係学会は妊娠中の時期を問わずmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンの接種を推奨しています。
妊娠中のコロナ感染は重症化リスクがあります
妊娠中に新型コロナウイルスに感染すると、特に妊娠後期は重症化しやすいとされています。
特に人口当たりの感染者が多い地域の方、感染リスクの高い医療従事者、糖尿病、高血圧など基礎疾患を合併している方は、ぜひ接種を検討してください。
大切な人を守るため接種を検討しましょう
また、妊婦の感染経路の約8割は、夫やパートナーからの感染と報告されています。
妊婦の夫またはパートナーの方がワクチンを接種することで妊婦を守ることにつながります。ぜひ接種を検討してください。
妊娠中の方
アメリカのCDC(Centers for Disease Control and Prevention:アメリカ疾病予防管理センター)では、妊娠中の新型コロナワクチンの接種を推奨しています。
アメリカやイギリスからの報告ではワクチン接種による発熱や倦怠感の副反応は非妊婦と比較して変わりがなく、また、流産、早産、胎児の発育遅延、先天奇形、新生児死亡が起きる確率はワクチンを打っていない妊婦と変わりないとの報告が出ています。
母体の重症化、赤ちゃんへの悪影響リスク
一方、妊娠中に新型コロナウイルスに感染した場合に、妊娠していない場合と比べ重症となりやすく、また早産や妊娠合併症、胎児への悪影響のリスクが上がるとされています。
また、米国における副反応調査結果から妊娠20週以前にワクチンを接種しても流産のリスクは上がらないとしています。
赤ちゃんにも抗体を与えます
なお、妊娠中にmRNAワクチンを受けた方の臍帯血や母乳を調べた研究では臍帯血にも母乳中にも新型コロナウイルスに対する抗体があることが確認されています。
こうした抗体が、産後の新生児を感染から守る効果があることが期待されています。
授乳中の方
アメリカのCDCでは授乳中の方にも、新型コロナワクチンの接種を推奨しています。
mRNAワクチンの成分そのものは、乳腺の組織や母乳に出てこないと考えられています。
授乳中にmRNAワクチンを受けた方の母乳中に新型コロナウイルスに対する抗体が確認されています。
こうした抗体が授乳中の子どもを感染から守る効果があることが期待されています。
妊娠を計画している方
アメリカのCDCではこれから妊娠を計画されている方にも新型コロナワクチンの接種を推奨しています。
アメリカで承認されているワクチンが生殖器に悪影響を及ぼす報告はなく、ワクチンのために妊娠のタイミングを変更する必要は無いとしています。
参考
※詳しくは以下にある関連学会のページをご覧ください。
- 出生前診断
- 先天性疾患について
- 染色体について
- 染色体疾患について
- 妊娠に対する年齢の影響
- 高年齢妊娠
- ハイリスク・ローリスク
- 遺伝カウンセリングのご案内
- 妊娠初期超音波検査とコンバインドテスト
- 妊娠初期の胎児スクリーニングについて
- 妊娠中期の胎児ドックについて
- 妊娠後期の胎児ドックについて
- NTとNT肥厚について
- NIPT(非侵襲的出生前検査)
- 妊娠10週からの超音波検査+NIPT 10 Week Scan
- 3つのトリソミー
- クアトロ検査
- 羊水検査
- 絨毛検査について
- 染色体検査の種類について