子づくりを意識して避妊せずに性交渉を行った場合、半年から1年以内に子どもを授かるのが一般的です。
しかし、妊娠する確率は女性の年齢によって大きく異なります。
その理由は、「卵子の減少/老い」と大きく関係しています。
毎日作られる男性の精子と違って、女性の卵子(卵子の元になる原子卵胞)は生まれたときには既に存在しており、その後、新しく作られることはございません。
卵子は減少していく
卵子を育てる袋(卵胞)には、元となる原子卵胞というものがあります。
生まれたときには、この原子卵胞を卵巣に約200万個備えておりますが、月経の始まる思春期頃には、約170~180万個に自然消滅します。
思春期・生殖年齢の頃には約20~30万個まで減少していき、一回の月経の度に約1000個少なくなります。
卵子も年を取る
女性の持つ、原子卵胞は生まれたときには既に存在し数も決まっています。
そのため、もともとある原子卵胞を使い切ってしまったら、卵子を作ることができません。(閉経になります。)
つまり、原子卵胞は自身の年齢と同じだけ年を取っていきます。
卵子が年を取ったら
原子卵胞という細胞は、同じ状態で何十年も生きる事の出来る特殊な細胞になります。
年を重ねた原子卵胞は、排卵が行われたとしても卵子としての機能を失っている可能性があります。
また、染色体異常をもつ卵子も増えていくため、受精卵になったとしても上手く育たずに流産してしまうことも増えてきます。
卵子の染色体異常は年齢に関係なく起こりますが、年を重ねることによって数が多くなります。
染色体異常をもつ卵子
原子卵胞は、第一減数分裂の途中で眠ってしまい、場合によっては何十年も眠り続けます。
減数分裂を完了させようとしたとき、通常は半分ずつ均等に分かれます。染色体数は46本ですが、2本1対で23対ございます。
減数分裂は、染色体の数を半分にする為、通常は23本ずつ分かれることになります。
分裂に問題がある事で染色体数に異常が起きてしまいます
しかし、減数分裂が上手くいかないと例えば22本と24本ずつに分かれてしまい半分ずつ均等に分かれる事ができないケースがあります。
減数分裂に失敗した卵子は、精子と受精しても染色体数が45本や47本になってしまいます。
こうした染色体数の異常が流産やダウン症の要因となります。
高年齢出産
日本産婦人科学会によれば、高齢出産とは「35歳以上の初産婦」を指します。
高齢出産のリスク
高齢出産のリスクとして下記4つがよくあげられます。
- ① 流産の確率が上がる
- ② 先天性異常のリスクが上がる
- ③ 妊娠高血圧症や妊娠糖尿病を発症しやすい
- ④ 難産の可能性がある
流産の確率が上がる点と先天性異常のリスクが上がる点については、先に述べた通り、年齢を重ねることにより卵子(原子卵胞)も年を取るので染色体異常となる確率が上がる事が主な要因ではございます。
しかし、染色体異常となるリスクはあくまで個人差があり一概に「35歳以上」だからリスクがある、「35歳以下」だからリスクが低い、という訳ではございません。
生まれ持った原子卵胞の数や質によっても変わってしまうので注意が必要です。
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