産婦人科の赤ちゃんを診る妊婦健診や出生前診断。
そこでたびたび超音波検査を行うのですが、この種類が多く、いったいどれがどんな検査なのか分かりづらいという方も多いのではないでしょうか。
妊婦健診のエコー検査も、出生前診断の胎児ドックで行われるエコー検査も、結局は同じじゃないの?と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
実はそれぞれのエコー検査はできることや見ている範囲、そして正確に実施するための技能などが異なっています。
こちらではそれぞれのエコー検査の分類と違いを簡単にご紹介していきます。
出生前診断に興味はあるけれど、妊婦健診とどう違うのか、どんなことを見ているのかの参考にしていただければと思います。
大きく分けると以下の2つのエコー検査があります
まず産婦人科で行うエコー検査は以下の3つに分けられます。
- 一般超音波検査
- 胎児超音波検査
ただ、それぞれの検査の名前は医療機関によって異なったりしておりますので、全ての医療機関の案内やホームページなどで同じ言葉でも違ったものを指している、違う言葉で同じことを指していることもあります。
一般超音波検査(赤ちゃんの今の健康状態がわかる)
こちらは通常の妊婦健診にて行う超音波検査のことです。
見ているもの、 分かること |
赤ちゃんの推定体重を測ったり、羊水量や胎動などを見ています。 |
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目的 | ・胎児発育の評価 ・well being(赤ちゃんが単に病的な状態でないというだけでなく、正常な発育をしていて身体的にも元気な状態)の評価 ・前置胎盤や切迫早産徴候の確認 など |
胎児超音波検査(形態異常がわかる)
こちらは赤ちゃんの先天的な形態異常などを確認する超音波検査になります。
一般超音波検査と異なるのは、NT肥厚、形態異常について詳しく見ることができる点です。
新宿南口レディースクリニックではこの胎児超音波検査をすべて「胎児ドック」と呼んでおります。
医療機関によっては、「胎児形態スクリーニング」「胎児エコー」などとも呼ばれています。
精密ということもあり、ある程度細かなチェック項目を確認していくため、それなりの超音波検査技能が必要とされます。
見ているもの、 分かること |
赤ちゃんの頭のてっぺんから足の先まで全身を見ています。 (大脳、小脳、顔面、心臓、肺、肝臓、胃腸、腎臓、膀胱、外性器、骨格、四肢、臍帯、胎盤、子宮や胎児付属物まで) |
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目的 | ・先天的な形態異常の確認 ・赤ちゃんが生まれてからの治療の必要性の確認や助けていくための準備 |
参考
医療機関ごとの呼称がバラバラであったりすることから、どれがどれを指していて、何を診てもらえるのか迷ってしまう方も多くいらっしゃるかと思います。
まずは上記のような大きな分類を確認し、ご自身の選択に役立てていただければと思います。
- 出生前診断
- 先天性疾患について
- 染色体について
- 染色体疾患について
- 妊娠に対する年齢の影響
- 高年齢妊娠
- ハイリスク・ローリスク
- 遺伝カウンセリングのご案内
- 妊娠初期超音波検査とコンバインドテスト
- 妊娠初期の胎児スクリーニングについて
- 妊娠中期の胎児ドックについて
- 妊娠後期の胎児ドックについて
- NTとNT肥厚について
- NIPT(非侵襲的出生前検査)
- 妊娠10週からの超音波検査+NIPT 10 Week Scan
- 3つのトリソミー
- クアトロ検査
- 羊水検査
- 絨毛検査について
- 染色体検査の種類について