トリソミーとは
染色体には大きく分けて以下の
- 常染色体(体の構造や機能に関する遺伝情報が入っている)
- 性染色体(主に男性か女性かを決定する遺伝情報が入っている)
の2種類があります。
染色体は本来2本のペアになっているのですが、3本ある状態のことをトリソミーと呼びます。
トリソミーと病気の関係について
常染色体は番号が付けられており、それは1~22まであります。
そのうち、13、18、21のそれぞれの染色体が3本ある場合(トリソミー)、下記のような病気の可能性があります。
13トリソミー(13番が3本ある) | パトウ症候群 |
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18トリソミー(18番が3本ある) | エドワード症候群 |
21トリソミー(21番が3本ある) | ダウン症候群 |
13トリソミーについて(パトウ症候群)
一般的には5,000人~10,000人の割合で出生するとされています。
妊婦健診における超音波検査で心疾患、中枢神経・消化器系疾患の病気、または身体の形態変化などで見つかることがあります。
複数の病気を持って生まれてくることがあり、呼吸や哺乳のサポートなど、生後早期に医学的な管理が必要になることがあります。
心疾患や呼吸不全などの病気のため、生後早期に亡くなることがあります。一方、積極的な医療介入により生命や生活の見通しが改善すると報告されてきており、一部で長く生存して成人を迎える方もいます。
一人で歩いたり、言葉を話せるようになることは稀ですが、ゆっくりと成長・発達します。小児慢性特定疾病に認定されており、医療、福祉、当事者のコミュニティなどのサポート体制があります。
18トリソミーについて(エドワード症候群)
一般的に4,000人~10,000人に1人の割合で出生するといわれています。
妊婦健診で行われる超音波検査で赤ちゃんの発育不全や心疾患、消化器系疾患、四肢の形態変化などを認めることからみつかることがあります。
複数の病気を持って生まれてくることがあり、呼吸や哺乳のサポートなど、生後早期に医学的な管理が必要になることがあります。
心疾患や呼吸不全などの病気のため、生後早期に亡くなることがあります。一方、積極的な医療介入により生命や生活の見通しが改善すると報告されており、一部で長く生存して成人を迎える方もいます。
運動面・知能面での遅れを示しますが、医学的な管理を継続しながら特別支援学校等に通学し、成長と共にゆっくりと発達をとげます。
小児慢性特定疾病に認定されており、医療、福祉、当事者のコミュニティなどのサポート体制があります。
21トリソミーについて(ダウン症候群)
一般的に、600人~800人に1人の割合で出生するといわれています。
生後の身体や言語の発達は全体的にゆっくりですが、適切な成育環境(療育など)によって成長発達を促すことができます。
心疾患、消化器系疾患などの病気をもつ場合があります。
学齢期は地元の学校や特別支援学校に通っています。大人になると生活介護が必要になることもありますが、行政によるサポートを受けながら地域の中で生活する方も多く、生涯に渡ってさまざまな支援サービスが用意されています。
小児慢性特定疾病に認定されており、医療、福祉、当事者のコミュニティなどのサポート体制があります。
各地には親の会やサークル活動などの情報交換の場があり、福祉のサポート体制も整っています。
トリソミーの方への各サポート、支援団体
トリソミーを調べるNIPT(非侵襲的出生前検査)を行っています
当院はNIPT(cell free DNA test)の連携施設として、日本医学会より連携施設の認定を受けました。
当院では東京大学医学部付属病院を基幹施設として、連携を取りながら、出生前検査を実施していきます。
NIPTでは「胎児が13、18、21トリソミーの状態であるリスクが高いか低いか」が分かるのみにとどまります。
構造学的な異常なども把握するためには、合わせて初期超音波検査を受けることが大切です。
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