概要
母体血清中の4つのマーカー( AFP, uE3, hCG, Inhibin A )を測定して、以下の疾患をもつ確率をそれぞれ算出するスクリーニング検査です。
- 胎児がダウン症候群
- 18トリソミー
- 神経管閉鎖不全
羊水検査や、より正確な情報を得るための画像診断の必要性を考慮する材料になります。
検査時期
妊娠15週から妊娠17週頃になります。
検査方法
お母さんからの採血で得られた血液検体から4つの血清マーカーを測定します。
その結果に加えて、お母さんの年齢、妊娠週数、体重、家族歴、インスリン依存性糖尿病の有無を加えて、それぞれのリスクを計算します。
それぞれの疾患について、基準となる値(カットオフ)が定められており、カットオフよりもリスクが高ければハイリスク(スクリーニング陽性)、リスクが低ければローリスク(スクリーニング陰性)と報告されます。
検査の特徴
陰性的中率が高い
クアトロ検査の感度については70%くらいと言われています。
コンバインドテストと比較すると精度は劣りますが、陰性と結果が返ってきた場合に、実際に胎児に疾患が無い確率(陰性的中率)はコンバインドテストと同様に高いことが言われています。
妊娠中期に実施可能
クアトロ検査は妊娠中期に行われる検査ですので、出生前診断を受けたいと考えていたけれども、妊娠初期の時期にコンバインドテストを、何らかの理由でできなかった方は考慮されてもいいかも知れません。
費用負担が少ない
価格もそのほかの確率的検査と比較しても安価に受験することができます。
クアトロ検査だけですべてはわかりません
一方でクアトロ検査の結果はあくまで確率であり、診断ではありませんので、ダウン症候群やトリソミー18に関しての診断は羊水検査で行うことになります。
また、採血検査のみで胎児の超音波検査所見が結果に反映されていませんので、神経管閉鎖不全の診断は超音波検査での評価が必要となります。
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