当クリニックはFMF Japan(The Fetal Medicine Foundation Japan)の認定施設です。
FMFは英国発祥のチャリティ組織で、胎児医療の研究と教育を通して、妊婦・胎児の健康向上を行うことを目的としています。
院長はFMFの研究員として、英国ロンドンの病院で2年間胎児超音波を中心とした胎児医療の専門的トレーニングを行ってきました。
FMFのフェローシップの修了者は日本に6名しかおらず、院長はそのうちの一人です。
お腹の赤ちゃんのことで不安がある方はご相談ください。
FMFの創設と目的
Fetal Medicine Foundation(FMF : https://fetalmedicine.org/)は、チャリティー団体として英国政府より登録されています。
この機関は、胎児医療の父とも呼ばれるキプロス・ニコライデス教授 (King’s College University London)が創設したものです。
FMFは研究と医療従事者への研修を通じて妊娠女性とその赤ちゃんの健康を向上させることを目的としています。
FMFでは周産期医学に関するリサーチを積極的に行っており、毎年多くの研究結果を医学雑誌に投稿しています。
ASPRE study
私がFMFで研修していた時にはASPRE studyと呼ばれる、妊娠中の合併症である妊娠高血圧腎症に対して、アスピリンが予防効果を持つことを示した研究で大きな反響を得ました。
2017年の6月にNew England Journalに発表されましたが、この時は英国国内の一般新聞紙でも大きなニュースとして取り上げられました。
因みに、ASPRE studyの結果が同様に東アジアの妊婦さんにも適応できるかどうかに関して、現在日本のグループも参加し、リサーチがされているところです。
胎児医療のトレーニング
また、FMFでは毎年、世界中から集まった多くのリサーチフェローが胎児超音波を中心とした胎児医療のトレーニングを行っています。
私がトレーニングを受けた時も100人程のフェローがロンドンやその近郊の病院へ派遣され、毎日超音波検査を行い、それぞれの病院の胎児医療のコンサルタントと相談をしながら、妊婦さんへのカウンセリングを行っていました。
それぞれのフェローが担当する、胎児超音波検査の件数は1日に15件から多い時で30件近くあります。
2年間に経験する超音波検査は5000件以上になりますので、胎児異常を経験することも多く、また、主にトレーニングが行われるKing’s College Hospital(KCH)は地域の中核病院であり、他の病院から紹介されてきた妊婦さんの超音波検査を経験することもあります。
正常を知ることで異常を見極められる
しかし、大半は正常胎児の超音波検査です。
この正常胎児を多く診ることが超音波検査の上達には必要不可欠だと今は感じています。
正常を知らなければそこから変化している異常を見つけることはできないからです。
このようなトレーニングを受けた世界中のフェローはそれぞれが自分の国に帰り、KCHで行ってきた超音波検査を自国の妊婦さんに提供しています。
当クリニックでも超音波検査の教育を整えております
私どものクリニックでもFMFでの経験をもとにKing’s College Hospital Fetal Medicine Instituteで行われている胎児スクリーニングのプロトコールに準じた検査を提供します。
また、当クリニックに就職していただいたスタッフの方へも同じ超音波検査が可能となるよう教育を行い、少しでも多くの妊婦さんへ世界で行われている胎児超音波検査を提供できるよう努力していきたいと考えています。
万が一、赤ちゃんに病気が見つかった場合には連携している大学病院などの高次施設へご紹介いたします。
また、遺伝カウンセリングが必要な場合も、実施可能な連携施設へご紹介させていただきます。
- 出生前診断
- 先天性疾患について
- 染色体について
- 染色体疾患について
- 妊娠に対する年齢の影響
- 高年齢妊娠
- ハイリスク・ローリスク
- 遺伝カウンセリングのご案内
- 妊娠初期超音波検査とコンバインドテスト
- 妊娠初期の胎児スクリーニングについて
- 妊娠中期の胎児ドックについて
- 妊娠後期の胎児ドックについて
- NTとNT肥厚について
- NIPT(非侵襲的出生前検査)
- 妊娠10週からの超音波検査+NIPT 10 Week Scan
- 3つのトリソミー
- クアトロ検査
- 羊水検査
- 絨毛検査について
- 染色体検査の種類について