お母さんと赤ちゃんの二人を診たい
初期研修中に産婦人科研修を行い、産科に魅力を感じ、産婦人科を専門としようと考えました。
産科ではお母さんと胎児の二人を同時に診ていく必要があり、他の専門科とは異なるところに興味を感じました。
産婦人科の専門研修が始まってすぐに新生児医療の研修のためにNICUでの研修を経験させて頂きました。
その時に近くのクリニックで分娩となった赤ちゃんに先天性心疾患が見つかり、緊急搬送となったことを経験しました。
日本では半分近くの妊婦さんがクリニックや助産院など必ずしも小児科の先生が常駐していない分娩施設で分娩しています。
そのような1次施設が日本の周産期医療を支えるうえで大きな役割を担っているのです。
分娩後、赤ちゃんが生まれた後の医療
その一方で、赤ちゃんが生まれた後に、必要な医療を受けられるよう、妊婦さんが適切な分娩施設を選択することも必要だと感じました。
その為に出生前診断は必要であり、それによって赤ちゃんの生命予後は改善されるのではないかと考えました。
より専門的な勉強のため、FMFのトレーニングへ
しかし、お母さんと赤ちゃんの二人を診たいと思い産婦人科を志したものの、胎児についての勉強が専門研修の中で十分ではないと感じ、産科をより専門的に勉強したいと考えました。
そんな時にイギリスのFetal Medicine Foundation(FMF)でのリサーチフェローとしてトレーニングを受けるチャンスを頂くことができました。
トレーニングでは超音波検査の技術を磨くことができ、現在行われている出生前検査の理論的理解も深まりました。
それと同時に出生前検査についてより深く考えるきっかけにもなったと思います。
女性が自分の体について知る権利
イギリスでは、女性が自分の体について知る権利が強調されることを感じました。
妊娠をして分娩をするのは女性です。妊娠が原因で様々な病気になったり、分娩の時の痛みに耐えたりするのは女性です。
だからこそ、それぞれの国や地域で様々な倫理感があったとしても、女性が自分の体で起きていることを知りたいと思うのは自然な考えではないかと思うのです。
このような経緯から、当クリニックでは出生前検査に力を入れ、すべての赤ちゃんと女性の予後が最適なものになるよう努力していきたいと考えております。
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